熱中症の対処法をしっかり覚えて起きましょう。適切な応急処置によって、ずいぶんと変わってきます。
熱射病、日射病などとともに、症状や、予防対策をきっちりと知っておく必要があります。グッズや商品も増えてきました。
熱中症になった人がいたら、まずは涼しい場所へ運びましょう。服のボタンやベルトなどを緩め、水分を補給させます。これが基本的な対処なのですが、症状によっては変わってきます。詳しく見ていきましょう。
まず、熱中症とはなんでしょうか。
実は日射病や、熱射病とよばれるものの総称なんです。
大辞林によると、「高温下での運動や労働のため、発汗機構や循環系に異常をきたして起こる病気。体温上昇、発汗停止とともに虚脱・痙攣(けいれん)・精神錯乱・昏睡(こんすい)などを起こし、生命の危険を伴うこともある。」とあります。
簡単に説明すると、普段、汗などで体温を調節しているのですが、気温の方が体温よりも高くなってしまったりすると、うまく熱がコントロールできないんですね。湿度も高いと、汗が蒸発せずに、気化熱で冷やすことができません。
こうして体温コントロールがうまくできなくなると、体温がどんどんと上がってしまいます。この機能障害が、熱中症というわけです。
症状としては、めまい、立ちくらみ、痙攣、頭痛、吐き気、熱射病まで行くと、意識障害や錯乱、昏睡、全身がけいれんすることもあります。そして、死に至ることもあるのです…。
熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病と種類があります。
校庭で朝礼の校長先生の話の途中に女子が倒れてしまうのは、ほとんど熱失神です。体温を下げようと血管が広がると、血圧が下がり、その結果脳の血流が減少してしまい、めまい、失神を引き起こすものです。
熱疲労は、汗による脱水症状によっておこるもので、だるさや吐き気などを伴います。
この熱失神と熱疲労は、最初に書いた基本的な熱中症の対処法でOKです。
熱痙攣というものもあって、これは血液中の塩分濃度の低下によっておこります。生理食塩水(0.9%)を補給しましょう。水でなく、ポカリスウェットなどのミネラルを含むドリンクを飲ませればいいでしょう。
熱射病まで行くと、中枢機能に異常をきたしてしまっています。呼びかけても、反応が鈍かったり、おかしなことを言ったり、まったく意識がなかったりしたら、熱射病の可能性があります。全身の臓器障害を合併すると、死亡率が高くなります。救急車を手配したり、病院に運びながら、直ちに身体を冷やさなくてはなりません。
全身に水をかけて風をあてたり、氷はわきの下や、首、内腿などの大きな血管、動脈を冷やしたり。風邪のときなどによく額に氷を当てますが、あれは気持ちがいいだけで、体温を下げる効果はほとんどありません。
夏だけでなく、冬であっても、室内でも、激しい運動をしたり、暖房の効いた部屋で厚着をしていたりすると、熱中症にかかることもあります。
ホットカーペットで寝ていた幼児が、亡くなり、熱射病が原因の可能性があるとの報告もあります。
こんなに怖い熱中症、なってしまわないように、予防するのが一番です。
急に激しい運動をしない。水分、塩分をこまめに補う。(ポカリスエット、アミノバリュー、エネルゲンなどがナトリウムが豊富でおすすめ。)涼しい服装を心がける。(最近はユニクロのドライテックなどがあります。クールビズも。冷える帽子や、ネッククーラーなどのグッズもありますね。)熱中飴なんていう飴もあります。
とくに、高齢者の方や子供は気をつけましょう。ゴルフなどでもなりやすいです。
また、環境省が、熱中症の予防情報サイトを立ち上げていて、暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)や、熱中症患者速報などを載せているので、チェックしてみるのもいいでしょう。
犬や猫も熱中症になるので、炎天下での散歩は控えてあげてくださいね。
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